オープンデータ情報ポータル

2013/02/27

リポート

 日経BP社のITイベント「Cloud Days / BigData Expo / Smartphone&Tablet」が2月27日、東京で開幕した。セミナーでは「オープンデータの可能性」と題したセッションも設けられ、産官学の立場からオープンデータ推進の意義や課題について話し合った。

 総務省官房審議官の谷脇康彦氏は、政府がオープンデータを積極的に議論するようになった背景には、行政や医療、教育といったそれぞれの現場でICTの利活用を進めるだけでなく、領域を超えた連携も重要だとの意識を持つようになったことが挙げられると指摘。そこには震災の経験も大きく影響していると述べた。

 政府全体としては、2012年7月に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が電子行政オープンデータ戦略を策定したのを受け、官民の実務者会議が年度末をめどにロードマップづくりを進めている、と報告した。

 総務省でもいくつか具体的な取り組みを始めており、国や自治体が持つボーリング(地盤調査)データを集めて3D地下構造図を作る計画が進んでいるという。

 一方、政府が保有するデータを公開するのとは逆に、民間がデータをオープンにし、政府にも提供するという事例を紹介したのが本田技研工業のグローバルテレマティクス部長、今井武氏だ。

 同社のカーナビには車がセンサーとなって様々な情報を集め、共有する機能がある。東日本大震災の発生翌日から、各社の走行実績を集めてグーグルマップ上に公開することで、現在通行可能な道路がどこかを把握できるようにした。数日後には他社とも連携、4月に入ってからは行政のデータとも連携させることで、さらにきめ細かな情報を確認できるようになった。

 また、ドライバーが急ブレーキをかけた地点を集計して埼玉県に提供するという取り組みでは、情報提供を受けて県が植栽をせん定して見通しをよくしたり、注意を呼びかける道路標示を増やすなどの対策を進めたところ、急ブレーキ回数が7割減少した地域も出ているという。

 研究者の立場からは、国際大学GLOCOMの主任研究員で、オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン代表の庄司昌彦氏が発言。2月23日に世界105地域で行われた「インターナショナル・オープンデータ・デイ」の成果を報告した。

 日本からは今回が初参加となったが、8都市でハッカソンなどを開催できたこと、日本が口火を切る格好になったのでツイッター等を通じ英語で情報発信したところ、日本の取り組みを広くアピールできたことなど、収穫が大きかったと述べた。

関連リンク
日経BP社 イベント公式サイト http://expo.nikkeibp.co.jp/